海洋プラスチックごみ問題

2022年02月08日

海洋プラスチックごみ問題は世界で注目されていて、現状が続くと、将来的に海洋資源を得ることができなくなるとも言われています。海洋プラスチックごみ問題と私たちにできることを紹介します。

海洋プラスチックごみ問題

普段私たちが使っているプラスチック製品は、ポイ捨てされたり適切な処分がされないことにより、街から川へ、そして最終的には海に流され、海洋プラスチックごみになります。こうしたプラスチックごみが海洋汚染や生態系に及ぼす影響を問題視したものが、海洋プラスチック問題です。

その量は世界中で1年間に800万トン、2050年には海洋プラスチックごみの重量が魚の重量を超えることが予想されています。 


●日本におけるプラスチックごみ

 日本の1人当たりのプラスチックごみの量は世界第2位です。プラスチックは、軽量で加工がしやすく丈夫であることから、レジ袋やペットボトルのほかにも、プラスチック製のストローやスプーン、おもちゃなどといったあらゆるものに利用されています。

プラスチック製品は、日本では年間900万トンも生み出されていて、ほぼ同量のプラスチック製品がごみとなって捨てられています。


●マイクロプラスチックとは?

直径5ミリメートル以下の小さなプラスチックのことをいいます。発生源の違いにより、2種類に分けることができます。

【1次マイクロプラスチック】

洗顔料や歯磨き粉などのスクラブやマイクロビーズなどに含まれる小さなサイズで製造されたプラスチックで、排水などを通じて自然環境中に流出したプラスチックごみを言います。小さいので、下水処理場のろ過装置をすり抜けてしまい、自然環境の中では回収が困難となります。


【2次マイクロプラスチック】

ペットボトルやビニール袋など、大きなサイズで製造されたプラスチックが自然環境中で太陽の紫外線や衝突などの影響を受け、劣化して細分化されたものを言います。リサイクルを行うことで発生を抑制したり、細分化する前に回収するなどの対策が可能です。


●マイクロプラスチックのもとになる5大プラスチック

プラスチック自体は100種類以上ありますが、その中でも以下のプラスチックは生活用品など多くの製品に使用されています。


【ポリエチレン(PE)】

高密度ポリエチレン(HDPE)
バケツ・洗剤ボトル・灯油タンク

低密度ポリエチレン(LDPE)
レジ袋・ラップ・紙パック飲料などの内外面

【ポリプロピレン(PP)】

ストロー・ペットボトルキャップ・文具・医療器具

【ポリスチレン(PS)】

ハンガー・食品用トレー・プリンター

【ポリエチレンテレフレタート(PET)】

ペットボトル・卵パック・包装フィルム・衣類の繊維


プラスチックごみが与えている影響は?

プラスチックごみは海の汚染だけでなく、海の生物や私たちの体にまで影響を与えています。 

●海の生物に与える影響

海の生物がマイクロプラスチックを餌と間違えて取り込んでしまうと体内で消化されないため、消化器官の内部を傷つけたり、腸閉塞を起こして死んでしまうといった事例があります。


●人体への影響

海の生物が体内に取り込んだマイクロプラスチックは分解されないため、体内に蓄積されている可能性があります。そうした生物が市場に出回れば、海で獲れた魚を食べる私たちの体内にもマイクロプラスチックが入り込む可能性があります。

プラスチックは食べても消化されず胃や腸を通って排出されますが、プラスチックは様々な化学汚染物質を付着する性質もあり、有害物質は体内に取り込まれ、吸収されることもあるといわれていて、人体に悪い影響を及ぼす可能性があります。


私たちにできること

●3Rを心がける

3Rはプラスチックごみを出さないための工夫で、海洋プラスチックごみ削減にもつながります。

「リデュース(Reduce)」 マイバック持参によるレジ袋の削減

「リユース(Reuse)」 詰め替えを購入しボトルの再利用と廃棄ボトルの削減

「リサイクル(Recycle)」  プラスチックを分別回収し、原料として再利用を行う

他にも…

・プラスチック製ストローの使用を控える

・マイボトルを持参して、ペットボトルの購入を控える

・ラップではなく、蓋つきの容器に食品を保存する


などがあり、少しの行動や意識の変化で一人一人のプラスチックごみの削減が可能です。


まとめ

海洋プラスチックごみは世界的に深刻な問題として取り扱われています。
日本政府としても取り組みを進めていますが、日々の生活の中でどうしたらプラスチックを減らせるのか、個人が考えて行動することが大切です。


参考文献:海洋プラスチックごみ問題とは?  環境省公式サイト

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